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日中関係悪化で中国依存脱却から、チャンス銘柄の可能性を探る

目次

日中”関係悪化”の影響を整理する

今日は少し不確実性の高いテーマですが、避けて通れない「日中関係の悪化」について、投資家の視点でわかりやすく整理します。

“日中関係”が投資テーマになるのか?

最近、政治・外交ニュースでは日中の緊張が繰り返し取り上げられています。
投資家にとって重要なのは「この緊張が経済と株式市場にどう影響するか」です。

事実:日本経済と中国の“つながり”は素直に大きい

  • 日本と中国の貿易額は、年間40兆円超という規模
  • 日本の輸入の22%以上が中国から
  • 日本の輸出の17%以上が中国向け
  • 特に中間財や部材は中国依存度が極めて高い
  • 日本企業も観光業も、中国の動向で業績が大きく変わる構造がある

この「つながり」が不安定になると、経済全体が波を受ける可能性があります。

緊張が高まると何が起きるか?

私は3つのチャネルで影響が広がると考えられます。
ただし、観光業のように中国からの訪日観光客が減ったとしても別の国からの訪日観光客が増えるなど、実際どのくらいの影響が出るかは判断しきれません。

① サプライチェーン

中国からの部材・資源が制約 → コスト上昇・納期遅延。
特に電子部品・自動車部材は影響が大きい分野です。

② 観光・消費

訪日中国人の減少は、消費・地方観光に直撃します。
インバウンド消費の「国籍別割合」を見ると、中国は依然として大きな存在です。
ただし、訪日中国人減と中国人以外の訪日観光客増の実態がどの程度になるのか注目です。

③ 資源・重要鉱物

レアアースなど、中国が世界の供給を握る鉱物が“制裁対象”化するリスクがあります。
素材・半導体関連のコスト構造を揺るがします。

前半まとめ

「日中関係の悪化=単なる外交ニュース」ではなく、
中国依存の脱却やサプライチェーンの見直しなど国策になり得る経済ニュースだと捉えるべきです。

ではさらに深掘り

ここから先では、

  • 具体的にどの業界が“狙い目”になるのか
  • 企業収益はどう変わるのか
  • 個別銘柄まで踏み込んだ分析
  • 上昇シナリオ/下落シナリオ
  • 投資家が今すぐチェックすべき指標

をまとめていきます。

日中関係の悪化で影響のある業界を考察する

結論(短期/長期)

短期(1〜6ヶ月)

  • サプライチェーン混乱 → 素材・電子部品でコスト上昇
  • 観光消費の弱含み → インバウンド関連が揺れやすい
  • 鉄鋼・素材セクターは中国の輸出攻勢で圧迫

長期(1〜3年)

  • 「脱中国」「チャイナプラスワン」が本格化
  • 調達先の分散が企業の競争力を左右
  • 重要鉱物・レアアースの“代替技術・リサイクル”が成長テーマへ
  • パワー半導体・国内回帰製造の再評価

事実(数字・根拠)

  • 日本の対中輸出額:約12.4兆円
  • 日本の輸入品の22.5%が中国依存
  • 中間財輸入の依存度は一部品目で50%超
  • 機械・電子部品など、多くの製造プロセスが中国を経由
  • 世界のレアアース供給の大半を中国が握る

これらは“企業のコスト構造”と“利益率”に直結します。

推測:どの業界が揺れ、どこにチャンスがあるのか?

悪化の影響が特に出やすい業界

  • 自動車(部材依存)
  • 電子部品・半導体の川下
  • 観光(中国のインバウンド比率の高さ)
  • 鉄鋼・素材(中国過剰生産の影響)

逆に追い風になりやすい業界

  • 重要鉱物・レアアース代替
  • 国内部材メーカー
  • サプライチェーン多元化支援企業
  • パワー半導体・車載半導体
  • 非中国向け観光強化(欧・米・東南アジア)
  • 総合商社(調達力・資源ネットワーク)

ここから銘柄に落とし込みます。

狙いたい業界から個別銘柄を選定してみる

① レアアース・重要鉱物関連

テーマ:供給制約が起きたら最も恩恵を受けるセクター

狙い目銘柄:

  • 住友金属鉱山(5713)
  • 双日(2768)
  • 三井金属鉱業(5706)

理由:
日本の製造業は、半導体・電子部品・自動車部材など、高付加価値の根幹に重要鉱物が使われる構造があります。
レアアース・ニッケル・コバルト・タングステンなど、これらの鉱物の精製工程の多くを中国が持っていることが問題です。

  • レアアースの世界精製シェア:60〜90%は中国
  • EV用バッテリーに必要な資源も中国の存在感が圧倒的
  • 日本企業は代替調達ルートが限られている

中国が「制裁」「輸出規制」「税率変更」を行えば、
素材価格の急騰 → 日本企業の利益圧迫 → バリューチェーン全体に波及、という流れが起こります。
そのため、

  1. “非中国ルート”を持つ企業
  2. 日本国内で資源調達・製錬・リサイクルを進める企業

これらの企業の価値が一気に上がる可能性があります。
供給制約が交渉カードとして中国からちらつかされた瞬間、真っ先に反応しやすいセクターです。

② 鉄鋼・素材(中国依存からの逆回転でチャンス)

テーマ:過剰輸入で押されていたが、構造変化で浮上

狙い目銘柄:

  • 神戸製鋼所(5406)
  • JFEホールディングス(5411)

理由:
鉄鋼・アルミ・銅などの素材分野は、ここ10年ずっと中国の“価格攻勢”に悩まされていました。

  • 中国の過剰生産で価格が押し下げられる
  • アジア向け輸出も中国が圧倒的
  • 日本の素材企業は価格決定力を失いがち

ここで、関係悪化で輸出ルートが揺らぐと何が起きるか?

  1. アジア市場での供給バランスが変わる
  2. 日本メーカーが価格支配力を取り戻す
  3. 輸出競争力が回復しやすい

特に日本の鉄鋼メーカーは、高品質・高炉技術で世界的なシェアを持つ“プレミアム領域”が強いのが特徴です。
中国の安値攻勢が弱まるほど、日本メーカーは“品質で勝負できる市場”に戻り、利益率が上がりやすい構造になります。

つまり、「悪影響を受け続けてきた業界」ほど“反転の余地が大きい”のです。

③ パワー半導体・高付加価値部材

テーマ:米国・日本が“非中国”の戦略で進む領域

狙い目銘柄:

  • ローム(6963)
  • 富士電機(6504)
  • キオクシア関連(上場準備の動きにも注目)

理由:
半導体全体では台湾・韓国・米国の存在感が強いですが、日本が「世界で勝てる」領域は明確にあります。
それがパワー半導体(SiC・GaN)高付加価値部材です。
具体的な用途としては、

  • EV・充電器
  • 産業ロボット
  • 脱炭素設備
  • 高圧インバータ

これらの“電力制御”が必要な分野で必須の部品を作れる企業は限られています。
さらに、中国はパワー半導体でも制裁リスクを抱えており、西側諸国(米日欧)が協力して“非中国サプライチェーン”を構築中です。
これにより、

  • 日本企業が米国の大型投資から受注
  • 国内のSiC設備投資が増加
  • 車載向けが中長期で需要爆発

という追い風が続く可能性があります。

④ 観光(中国依存↓ × 多地域化↑)

テーマ:欧米+東南アジアからの“非中国インバウンド”へシフト

狙い目銘柄:

  • オリエンタルランド(4661)
  • エアトリ(6191)
  • JR東日本(9020)

理由:
観光は短期的には「中国客が減る→影響が出る」と語られがちですが、中長期で見れば以下の変化が追い風になります。

  • 欧米・東南アジアの観光客がコロナ後に急増
  • 日本の円安による相対的物価安
  • 政府がインバウンドに本腰を入れる

特に、

  1. 中国依存度が低い
  2. 欧米比率が高い
  3. アジア多地域に対応できる

といったポイントを満たす企業は業績が安定しやすく、
「観光業界全体は落ちるが、今回の政治リスクの影響を受けにくい」構造であり、割安で拾える可能性のある企業と言えます。

株価上昇シナリオ/下落シナリオ

上昇シナリオ

  • 日本企業が“脱中国”を宣言し、市場評価が急上昇
  • サプライチェーン多元化で利益率改善
  • 重要鉱物の価格上昇 → 上流企業が業績拡大
  • 観光は非中国圏が牽引

下落シナリオ

  • 中国が資源・部材を制裁 → 調達難&コスト高
  • インバウンド回復が想定より弱い
  • 半導体・電子部品の川下企業にマージン圧迫
  • 鉄鋼・素材は再び中国の低価格攻勢の波

まとめ

“3つのキーワード”

  • 脱中国依存(長期テーマ)
  • サプライチェーン再構築(構造変化)
  • 重要鉱物・半導体・素材の再評価(成長テーマ)

今すぐチェックすべき指標

  • 日本の対中輸出・輸入統計
  • 訪日外国人の国籍別シェア
  • レアアース・重要鉱物価格
  • 日本企業の決算での「調達先」や「依存度」の表現
  • 商社・素材・半導体各社の設備投資計画

参考URLまとめ

  • https://www.mofa.go.jp/files/100540401.pdf
  • https://www.unii.ac.jp/erina-unp/wp-content/uploads/sites/5/2024/06/ERINAREPORT3-2-2.pdf
  • https://eastasiaforum.org/2024/08/02/japans-plan-to-restructure-global-supply-chains/
  • https://www.rusi.org/explore-our-research/publications/commentary/japans-responses-chinas-supply-chain-dominance
  • https://tradingeconomics.com/japan/exports/china
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この記事を書いた人

【著者紹介】
J-FLEC認定アドバイザー
ファイナンシャルプランナー

銀行・保険会社にて計6年間、資産運用や保障の提案に従事。
その後、ABCashにて3年6ヶ月、累計1,000人以上の家計・資産形成・投資に関する相談実績あり。

【本人コメント】
専門用語をなるべく使わずに、ニュースや制度を理解いただけるように説明します!
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