【前半】NVIDIA決算・注目すべき3つの数字
以下は NVIDIA の最新決算から、投資家が最も注目すべき 「ファクト3点」 と、
その “重要な理由” をまとめたものです。
① 売上高:57.0億ドル(前年同期比+62%)
【事実】
FY2026 Q3(2025年10月26日終了四半期)の売上は 57.0億ドル。
前年同期比 +62% と、依然として異常値レベルの成長を維持している。
【なぜ重要か】
- 世界的に「AI投資はピークアウトでは?」という懸念が出始めていた
- にもかかわらず 高成長が続いている=AIインフラ需要は本物
- 半導体セクター全体の “成長鈍化リスク” を打ち消した数字
➡ NVIDIAの好決算は、AI市場の需要が鈍っていないことを裏付け、SOX指数全体の見直しにつながる指標。
② データセンター売上:51.2億ドル(前年同期比+93%)
【事実】
FY2026 Q3 のデータセンター部門の売上は 51.2億ドル。
前年比 +93% の急伸で、全社売上の大半を占めている。
【なぜ重要か】
- NVIDIAの成長源が 「ゲーミング → AIデータセンター」 に完全移行
- hyperscaler(AWS / Azure / Google Cloud)のAIサーバー投資が止まらない
- この分野の強さが続く限り、NVIDIAの業績は崩れにくい構造
➡ 周辺の“AIインフラ銘柄”(AVGO、MRVL、通信・電源・設備投資)へ波及する強力なシグナル。
③ データセンター売上比率:約90%(AI依存体制の明確化)
【事実】
売上57.0億ドルのうち 51.2億ドル がデータセンター部門。
つまり、NVIDIAの売上の 約90%がAIデータセンター由来。
【なぜ重要か】
- NVIDIAは 「AI専業企業」 に近い収益構造に変化
- 企業向けAI投資の動向が、そのまま業績に直結
- この比率が崩れたときこそ “本当の転換点”
➡ 半導体関連株を分析する際、今後は“AI需要の先行指標”が最重要になる。
■参考URL
https://investor.nvidia.com/financial-info/financial-reports/default.aspx
https://www.nasdaq.com/press-release/nvidia-announces-financial-results-fourth-quarter-and-fiscal-2025-2025-02-26
【後半】今後の半導体セクターを考察!
① 半導体バリューチェーンごとの注目セクター
② そのセクターがなぜ伸びるのかを NVIDIA 決算から解説
① 注目セクター(半導体バリューチェーン別)
A:半導体インフラ
- 電力(AIサーバーの消費電力の爆増)
東京電力HD / 関西電力 / 中部電力 - データセンター建設(DC不足の深刻化)
NTT(NTT・NTTデータ) / KDDI - 冷却・配電・ラック・光通信
富士電機 / 日立製作所
B:半導体設計
- AIクラウド向け(データセンター用AIチップ)
NVIDIA / AMD / Intel - 車載・ロボティクス向け(特殊AIチップ)
Tesla / Renesas - AI PC・AIスマホ向け(エッジAIチップ)
ARM / Qualcomm
C:半導体製造(ファウンドリ)
- TSMC
- Samsung Foundry
- Intel
D:半導体製造・素材
- 味の素(ABF基板)
- 信越化学(レジスト・フォト材料)
- SUMCO(シリコンウェハ)
E:生成AIプラットフォーム(最終需要)
- Microsoft(OpenAI)
- Apple(デバイス内AI統合)
- Google(Gemini)
- ソフトバンクG(Arm + 国内AI投資)
② セクター別:NVIDIA決算が裏付ける成長理由
■A:半導体インフラ(電力・データセンター)が伸びる理由
根拠となるNVIDIAの数字
▶ データセンター売上:51.2億ドル(前年比+93%)
【解説】
この数字は、ただ「GPUが売れた」ことを示すのではなく、
世界中のクラウド事業者がデータセンター建設を継続している証拠。
NVIDIAのデータセンター売上は:
- 1棟あたりのGPU搭載台数
- hyperscalerの発注量
- 生成AIモデルの巨大化速度
これらの“総和”として現れる数字。
➡ 51.2億ドルの急増 = DC投資が鈍化していない強力な証拠。
【結論】
- AIサーバーは従来の 5〜10倍の電力 を消費
- DC増設には 送電・冷却・光通信 が必須
➡ 電力・DC投資はまだピーク前。
B:半導体設計(NVIDIA・AMD・ARM)が伸びる理由
根拠となるNVIDIAの数字
▶ 売上高:57.0億ドル(+62%)
【解説】
通常、半導体は景気に敏感で、設備投資は景気悪化時に弱る。
しかし NVIDIA は 景気悪化環境でも+62%成長。
- GDP減速
- 雇用の弱さ
- 金利高止まり
といった逆風下でも成長しているため、
➡ 「AIチップ需要は景気に依存しない構造成長テーマ」 が示唆される。
【結論】
- AI PC・AIスマホが本格普及
- hyperscaler が専用AIチップ採用を拡大
➡ 設計リソース不足のため、NVDA・AMD・ARM は構造的追い風が継続。
C:半導体製造(TSMCなど)が伸びる理由
根拠となるNVIDIAの数字
▶ 売上の約90%がAIデータセンター由来
【解説】
NVIDIAのAI依存構造はそのまま、
AI需要 → NVIDIAの売上 → TSMCの先端プロセス稼働
という構造的好循環に直結。
特にAIチップは:
- 3nm
- 2nm
- 高帯域HBM
といった 先端プロセス必須 の製品。
➡ 参入障壁が高く、TSMCが長期優位。
【結論】
“AI需要の強さ=TSMCの先端ラインの強さ” の裏付けとなる決算数字。
D:半導体素材(ABF・レジスト・ウェハ)が伸びる理由
根拠となるNVIDIAの数字
▶ データセンター売上51.2億ドル + AI比率90%
【解説】
AIチップは従来より素材使用量が圧倒的に多い。
- ABF基板(味の素)
- EUVレジスト(信越化学・JSR)
- 12インチウェハ(SUMCO)
特に ABF は “供給制約が構造化しやすい素材”。
➡ AIチップ増加 = 素材需要が指数関数的に増える構造。
E:生成AIプラットフォーム(Microsoft・Appleなど)が伸びる理由
根拠となるNVIDIAの数字
▶ データセンター売上51.2億ドル(+93%)
【解説】
この数字は、
生成AI企業が GPU 調達を増やしている ことの定量的証拠。
- Microsoft(OpenAI)
- Google(Gemini)
- Meta
- Apple(ローカルAI)
これらの企業のAIモデル巨大化によって GPU 消費量は年々増加。
➡ NVIDIAの決算は 「生成AI市場の成長速度そのもの」 を示している。
全体まとめ
NVIDIA決算の「57.0億 / 51.2億 / 90%」の3つの数字は、
半導体バリューチェーン全体に“構造的上昇シナリオ”が続くことを示す。
- 半導体
- 半導体インフラ
- 半導体素材
- 生成AI
これらは、AI需要が落ちない限り上昇余地が残る。
■注意(投資リスク)
以下のニュースは AI需要を冷やす“下振れ要因” になり得るため注視したい:
- 輸出規制
- 地政学リスク
- 金利再上昇
- hyperscaler の設備投資削減
➡ ただし、これらが起きていない限り、
一時的な下落は押し目となる可能性が高い。

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