はじめに:「勝つ」より「負けない」投資へ
多くの投資家が最初にぶつかる壁——それは「どうやって勝つか?」。
しかし投資は「リスクとリターンは背中合わせ」に忠実で、大きなリターンを求めれば大きなリスクも同時に許容しなくてはなりません。
でも本音は、「小さなリスクで大きなリターン」ですよね(笑)
そこで解決策として広く活用されているのが
「 インデックファンド × 積立投資 」
市場平均をそのまま取りに行くインデックスファンドに対して、
毎月コツコツ投資を続ける積立投資を組み合わせることで
“勝つ投資”ではなく、”負けない投資”をすることにつながります。
今回はそんなインデックスファンドについて解説します!
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、株式市場全体の値動きを示す指数(インデックス)に連動するよう設計された投資方法です。
たとえば「S&P500」に連動するファンドを買えば、アメリカの代表500社に自動的に分散投資しているのと同じことになります。
つまり、1つのファンドを買うだけで経済全体に投資できる仕組みです。
具体的にアメリカの代表500社というのは
Standard & Poor’sというアメリカの会社が
会社の規模を表す時価総額などからアメリカを代表するアップル・マイクロソフト・アマゾン・エヌビディア・テスラなどの約500社を選定します。
構成比率の上位は情報技術・ヘルスケア・金融だが、幅広い業界へ分散している。
ただ偏りはあり、2025年時点では上位10社で全体の約30%を占め、
残りの70%が中小の優良企業やグローバル企業に分散されています。
この上位7社はマグニフィセントセブンと呼ばれ、特に注目度が高い企業となっています。
S&P500に連動するファンドに投資をするというのは
この500社の株価を平均するように計算して同時に株を購入することを意味しています。
つまり、たった1つのファンドを買うだけで、
アメリカ経済全体の成長をまるごと取り込める仕組みなのです。
主な株式指標(インデックス)を理解しよう
| 指標 | 対象市場 | 特徴 | 主なファンド例 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 日本の主要225社 | 値がさ株(株価の高い銘柄)の影響が大きい | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) |
| TOPIX | 東証プライム上場全企業 | 日本市場全体を反映。より分散度が高い | SBI・TOPIXインデックス・ファンド |
| S&P500 | アメリカの代表500社 | 世界経済の中心。過去30年で約9倍成長 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド |
| MSCIオールカントリー(ACWI) | 世界47か国 | 日本・米国・欧州・新興国を一括でカバー | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
上記に加えて加えて半導体関連だけを集めたSOX指数などまだまだたくさんの指標があります。
これらの指数は、「どの経済の成長を取りに行くか」を決めるためにあります。
まずは、経済大国のアメリカと我々の住む日本が代表としている銘柄に投資が可能な、
S&P500と日経平均のインデックスファンドからスタートで問題ないです。
ただし、インデックス投資にあぐらをかかずに
重要なのは「どの国の」「どんな産業が」「いつまで」「経済成長するか」を考えることが投資においては重要です。
なぜインデックス投資が強いのか?3つの理由
インデックス投資は幅広い地域や産業をカバーしているものが多く、
常に経済のことを考えていなくてはいけない!というわけではないので安心してください!
その理由についても触れていきます!
① 手数料が低く、長期に有利
インデックスファンドは運用コストが非常に低く、信託報酬は年0.1〜0.2%台。
アクティブファンドのように高コストが足枷になる心配が少ない。
AIに投資判断を任せるファンドも出てきていますが年1.0%くらいの手数料を取られるので5~10倍の手数料がかかります。
② 市場全体の成長に乗れる
世界経済は長期的に見れば右肩上がり。
たとえばS&P500は1995年から2025年で約9倍の成長を記録しています。
景気後退や暴落を乗り越えても、長期では成長を続けてきました。
③ 感情に左右されずに続けられればOK
経済全体への投資はそれだけ分散できており、リスクを抑えているため、
コツコツ積立投資を行うことでその経済全体の成長による恩恵を受けられます。
結果的には「どの株を買うか悩む時間」が減り、自動化しやすいのがインデックス投資です。
インデックス投資と相性の良い積立投資の効果:ドルコスト平均法
詳しくはドルコスト平均法のページで解説しますが、
インデックス投資は、毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法と非常に相性が良い投資法です。
高いときには少なく、安いときには多く買う仕組みになるため、自然に平均購入価格を抑えられます。
「時間」と「市場」を味方につけることで、リスクを分散しながら安定的に資産を育てることができます。
インデックス投資の落とし穴と注意点
| 注意点 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 市場全体が下がるときは一緒に下がる | 経済全体の停滞時は避けられない | 長期で保有し、慌てて売らない |
| テーマ型インデックスに注意 | AI・脱炭素など限定テーマは波が激しい | 広く分散されたインデックスを選ぶ |
| 短期で成果を求めない | インデックス投資は10年単位の戦略 | 途中の値動きに惑わされない |
インデックス投資の始め方ステップ
- 長期目標を立てる(老後資金・教育費のために1000万円など)
- どのインデックスを軸にするか選ぶ(日本/米国/全世界)
- 低コストのファンドを選定(信託報酬0.2%以下)
- NISAやiDeCoで積立設定
- 暴落時も気にせず継続投資
まとめ:経済成長を信じ、時間を味方につけよう
インデックス投資は、「市場の平均=世界の成長」を取りにいく投資法です。
一発で儲けるものではなく、コツコツと”経済の右肩上がり”を共有するもの。
市場に勝とうとするよりも、経済成長の力と時間の力を信じる。
これが、長期的に最も多くの人を豊かにしてきた投資スタイルです。
参考・出典:
- 金融庁「インデックス投資の基本」
- S&P Dow Jones Indices「Historical Performance Data」
- 日本取引所グループ「株価指数の仕組み」
(最終更新:2025年1月時点)

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