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はじめに:時価総額日本でNo.1のトヨタの「PERとEPSで投資判断」してみよう!
まず「PER/EPSの数値だけ見て投資判断をする」のは注意です。
この企業に投資をしても良さそうかを測る1要素に過ぎませんのであしからず。
そしてこのPER,EPSに限らず、多くの指標は同業他社との比較をすることで真価を発揮します。
本章では、トヨタを軸に、国内他社およびグローバル競合とのPER比較から「PERがどういう意味を持つのか」を丁寧に見ていきます!
トヨタ自動車の基本数値(2025年時点概算)
- EPS(1株あたり利益・連結、2025年3月期)= 359.56 円/株。
- PERは過去データ等からおおよそ 14倍前後と推定されます。
- 決算内容として、売上高4兆8,0367億円、純利益4,7650億円という実績があります。
ここまでは事実部分です。次章で「この数値がどう読み取れるか=推測・分析」をしていきましょう!
国内自動車メーカーとの比較
- 業界平均を計算してみます。
トヨタ(7203):14.2倍
ホンダ(7267):20.0倍
SUBARU(7270):16.0倍
スズキ(7269):13.8倍
マツダ(7261):35.0倍
三菱自動車(7211))50.1倍
この6社のPER単純平均は約 24.9倍となります。(※2025年11月に計算)
- トヨタのPER ≒14.2倍という数値は、国内同業他社と比べるとやや低めです。
解釈ポイント:
- トヨタのPER14倍という数字は、国内平均24倍台と比べると「割安」と見ることができます。
- トヨタは「2025年はトランプ関税の影響を大きく受けた」などの背景から、利益が伸びづらい時期という背景を知っておくと納得感があります。
- トヨタは規模・利益安定性・ブランド力・グローバル展開において日本の同業他社を上回るため、この”やや低め”のPERが一時的にPER下がってると判断するのは合理的です。
海外競合(例:Tesla, Inc./比亞迪股份有限公司(BYD))との比較視点
- TeslaやBYDなど、EVやグローバル成長を先取りしている企業は、PERが30倍以上~場合によって100倍超になるケースもあります(※具体的数値は公開条件・時期で大きく変動)
- トヨタと、これら”高成長企業水準”と比較すると、成長期待の織り込みが比較的控えめという位置づけになります。
解釈ポイント:
- PERの差を見るとEVやグローバル成長といったキーワードが、投資家の期待を集めている様子が見て取れるので、そういった意味ではトヨタにはまだまだ成長余力(伸び代)があるということです!
4. 実践:トヨタを見るときのチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| EPSの成長性 | 過去5年でEPSが毎年増えているか?継続的な伸びを確認 |
| 割安性/割高性 | PERが同業他社&グローバル企業と比べてどうか? |
| 期待値とのズレ | PERが10倍なら「10年分の利益価値」が株価に織り込まれていると理解 |
| 成長ドライバー | EV展開、グローバル展開、燃料効率改善などEPS増加に繋がる要因があるか? |
5. まとめ:同業比較こそが「適正値」を見つけるカギ
- トヨタのPER14倍前後という数字は、「国内平均より割安」の位置にあります。
- EPSが成長し続けるなら、「さらに割安」、逆にトランプ関税の影響が解消されず、成長が止まるなら「適正」や「割高」と評価が変わる可能性もあります。
- 成長株(Tesla/BYD)と比べて成長期待が控えめのため、PERも控えめの状態。ここが逆に伸び代になる可能性
単独の数字だけで判断せず、同業比較・成長期待・リスク構造をセットで見る習慣を身につけましょう。
参考・出典:
- トヨタ自動車株式会社「2025年3月期 決算要旨」
- IR Bank、TradingEconomics「自動車業界PER比較データ」
- トヨタ自動車株式会社「2025年3月期 決算報告」
(最終更新:2025年11月時点)

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