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ソフトバンクグループ(9984)のROE・PBRを読み解く【2025年11月最新版】

目次

はじめに:まず理解すべきは「SBG=投資会社」という構造

今回例に出して解説するのが、ソフトバンクグループ(9984)なのですが、
よく間違えやすいのが、子会社である通信会社のソフトバンク(9434)との誤認です。
今回は親会社である巨大な投資会社のソフトバンクグループについて解説します!

ROEやPBRの数字の捉え方は他社比較が重要ですが、
比較する企業がNTTやKDDIと比較してしまってはダメということですね!

ソフトバンクGの指標(株価:21,170円で計算)

〈事実〉決算データ(2024年3月期)

  • 当期純利益:1兆273億円
  • 自己資本:10兆2,930億円
  • 発行済株式数:13.2億株
  • 株価(2025年11月):21,170円

ROE(自己資本利益率)

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本
= 1兆273億円 ÷ 10兆2,930億円
約9.9%

→ 投資会社としては “標準〜良好”。

PBR(株価純資産倍率)

まず1株あたり純資産(BPS)を計算:

BPS = 自己資本 ÷ 発行株式数
= 10兆2,930億円 ÷ 13.2億株
約7,796円

PBR = 株価 ÷ BPS
= 21,170円 ÷ 7,796円
約2.72倍

→ 現在の株価は純資産価値の 約2.7倍

ROEをどう評価すべきか?

〈事実〉同業比較(投資会社型)

企業ROE業態
ソフトバンクG約9.9%テック投資会社
バークシャー・ハサウェイ約13%世界最大の投資会社
SBIホールディングス約9〜10%国内金融HD
オリックス約10〜11%多角化金融

〈推測〉ソフトバンクGのROEの読み方

  • 10%近いROEは投資会社として”十分に高い”
  • ただしSBGのROEは
  • Vision Fundの評価益/評価損
  • 子会社売却益
    に大きく左右される点が重要。

トランプ関税以降の日本の株式市場は強いので今後の決算次第ではもっとROEは高くなる可能性もある
ROEが高い企業は資産を効果的に扱えている証拠なので、投資先として優秀ということです。

PBRの読み解き:2.7倍は高い?安い?

〈事実〉同業比較

企業PBR特徴
ソフトバンクG2.7倍テック投資+レバレッジ型
バークシャー・ハサウェイ約1.5倍世界最大の投資会社
SBI HD約0.9〜1.1倍金融HD
オリックス約1.1〜1.3倍多角化金融

〈推測〉このPBRの背景

① アームなど保有銘柄への強い”成長期待”

アームのような世界的成長企業がSBGの純資産価値を押し上げる。

② 未実現の評価益を市場が織り込む

投資会社特有の「未実現の伸び代」がPBRを高くしやすい。

③ レバレッジ構造上、純資産の変動が大きい

投資会社は負債を活用して投資するため、資産価値増減が株主価値に直結。

高ROE企業で投資先としては「アリ」ですが、
いつ投資するか?という観点では「今」ではないかもしれません。
というのも、バークシャーと比較してもPBRが高く、割高と判断できるからです。

PBRは企業の資産と株価の関係を表していますが
投資会社の資産は投資先の業績に大きく左右されます。

投資先の業績が良さそう、と投資家が期待すればソフトバンクGの株価も上昇していくという構造です。
そしてその投資家の期待がPBRの倍率に返ってくるイメージなのですが、バークシャーよりも高い状況となっているため、
現在は割高という判断になります。

投資家が見るべき「ソフトバンクG専用チェックリスト」

観点内容
NAV(純資産価値)と株価の乖離SBG分析のコア指標
利益の質(実現益か評価益か)ROEの”中身”を必ず確認
レバレッジ比率生命線、倒産リスクの源でもある
Vision Fundの評価損益株価の変動要因の大半
保有銘柄のIPO予定上場=利益確定→ROE改善

まとめ:ソフトバンクGは「指標の表面では理解が難しい企業」

  • ROE 9.9% → 投資会社として標準〜良好
  • PBR 2.7倍 → 成長期待を織り込んだ”期待プレミアム”状態
  • 一般企業のPER/PBRとは読み方が違う点に注意

ソフトバンクGは
「財務指標の読み方」そのものを鍛える最高の教材
表面の数値だけで判断せず、
構造・成長期待・NAV・レバレッジ
をセットで分析する習慣をつけましょう。

参考・出典

  • ソフトバンクグループ株式会社「2024年3月期 決算短信」
  • IR Bank「指標データ」
  • Bloomberg「Global Holding Companies Financials」
    (最終更新:2025年11月時点)
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この記事を書いた人

【著者紹介】
J-FLEC認定アドバイザー
ファイナンシャルプランナー

銀行・保険会社にて計6年間、資産運用や保障の提案に従事。
その後、ABCashにて3年6ヶ月、累計1,000人以上の家計・資産形成・投資に関する相談実績あり。

【本人コメント】
専門用語をなるべく使わずに、ニュースや制度を理解いただけるように説明します!
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